勉強ができる脳

こんにちは!長野市の放課後等デイサービスのこどもプラス長野青木島教室です。今日は、こどもプラスの子どもがグングン伸びる最新の脳科学情報から「勉強ができる脳」のお話をしたいと思います。

テスト嫌いは学習効率が悪くなる

小学校や中学校ではテストが近づくと、その反応は2パターンに分けられます。1つ目は「嫌だなあ」「やりたくないなあ」と、マイナスなイメージを持っている子ども。2つ目は「よし、頑張るぞ」「日頃の成果を見せるぞ!」と心で闘志を燃やす子どもです。

私たちは、勉強すると言いますが脳科学的には記憶すると言います。今回の研究(Roedoger et al,2006)では「学習」と「テスト」の時間を設けて、2つのグループを作りました。1つ目は「学習」「学習」群といって、同じ学習を2回繰り返す群です。もうひとつは、「学習」「テスト」群といって一度学習したら、その内容をテストする群です。便宜上、「学習」「学習」群を学習群、「学習」「テスト」群をテスト群としましょう。この2つの群を比べると、5分後では学習群(学習を2回やった方)の成績が良く、学習群vsテスト群:81%vs75%でした。しかし、その2日後に再び成績をチェックしたところ、学習群vsテスト群の成績は、54%vs68%となり逆転したのです。さらに1週間後もその差が持続するかチェックしたところ、学習群vsテスト群:42%vs56%となり、テスト群の方が成績に関しては良かったのです。

学習すること、すなわち記憶するときにはただ情報を詰め込むのではなく、テストという記憶の引き出しから情報を取り出す作業を行うことが良いといえます。この記憶を引き出すという作業は、ワーキングメモリと言います。これがあることで長期的に記憶することが可能になると言えます。ただし、覚えるだけでは直後の成績は良くてもすぐ忘れてしまいます。一夜漬けでは本当の実力がつかずに、その場しのぎにしかならないのです。そうであるならば、当たり前のことではありますが、教科書を2度読むより、テストを間に挟んだ方が良いわけです。

子どもが行っている勉強について、家庭でも問題を出したり質問をする機会を作ることで、子どもの学力はグンと伸びるので「勉強をやらせる」のではなく、お父さんもお母さんも「子どもと一緒に勉強する」という意識を持つようにしましょうね。

知能指数は遺伝で決まる?決まらない?

学歴社会、知識社会と色々な言い方がありますが、人間の「頭の良さ」とはいったい何でしょう。日常の生活の中で、「あの人は頭が良いわね!」「頭の回転が早い!」ということを耳にしますよね。でも、人の頭の良さを比べるのはとても難しいものです。学校のテストで毎回100点を取れても、会社で力を発揮するかといえばそうでもないし、逆に学校のテスト成績が悪くでも世の中で活躍している人はたくさんいます。

頭の良し悪しの話をすると知能指数(IQ)が持ち出されることがありますが、この知能指数は心理学者が複数のテストを組み合わせて作ったものです。知能指数を高めるために小さい頃から塾に通わせる家庭も増えていますが、知能指数というのは「遺伝によって生まれつき決まっているの?」「教育など環境で育まれるものなの?」という問題は、長年にわたって議論されています。

知能の遺伝的要因を調べるために、昔から双生の子どもが研究の対象にされてきました。特に同一の遺伝子を持つ一卵性双生児が養子に出されるなどして別々の環境で育てられると、2人の知能に違いが現れるかどうかが注目されました。その結果、別々の環境で育てられた2人の子どもは、幼い頃は知能に差があったけれど、16歳頃までに知能指数が同じくらいに近づいてくるのです。

ある程度の誤差はあるにせよ、成長とともに遺伝的要因が強くなってくると考えられています。遺伝的な要因が知能指数に与える影響が大きいとすると、その違いは遺伝子にあると考えられます。しかし、この”知能の遺伝子”は本当に存在するのでしょうか?知能の遺伝子を見つけるために大規模なDNA解析が行われたことがありますが、現在までに知能の遺伝子を発見することはできていません。先ほどの双子の研究をみると、遺伝子が重要なカギを握っている可能性はとても高いので、もしこの遺伝子が見つかったら、大学の入試で「知能の遺伝子を見るので髪の毛を張り付けてください」という欄が設けられるかもしれません。

これまで知能の話をしてきましたが、冒頭にもお伝えしたように知能だけが人の人生を決めるわけではありません。知能が高くても社会性が低いから村八分にされてしまう人や、逆に知能は低いかもしれないけれど人間味に溢れ、多くの方の人望を受けている人だっています。子どもが成長するにしたがって知能を高める玩具や教材に目がとまる親心もわかりますが、子どもたちの発達において重要なのは、知能だけでなく社会生活を送るための力を、バランスよく高める環境を日常で設けることであると言えます。「挨拶・早寝早起き・食事」など、すぐに見直せるところから目を向けてみるのはいかがですか?

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こどもプラス長野青木島教室の放課後等デイサービスでは運動療育を目的とし、発達障害・ADHD(注意欠陥・多動性障害)や自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群や高機能自閉症含む)などの広汎性発達障害、学習障害(LD)、知的障害、ダウン症など様々な障がいを持った子供達と楽しく運動あそびをしています。見学も随時行っていますので気になる方はお気軽にご連絡ください。